逃げる黒猫
逃げ足の速い黒猫がいる
Jimmy SmithのThe Catというレコードである。
猫好きの彼女と、以前中古レコード屋を訪れた際に、その姿を見て
「ネコ！！」
ということで後程購入しようと考えていたのだが
次に陳列されていた棚に戻ると、黒猫の姿はそこにはなかった。
「モタモタしないですぐに手にとっておけばよかった」
とその時は後悔して店を後にしたのだが、
あれから半年ほど経った、今朝、なんとまたあの黒猫の姿を見かけたのだ。
目撃現場は同じ市内に住む音楽好きで有名なオノさんが
不定期的に開催されている「レコード火星」。
「レコード火星」ではレコードをかけて音楽談義で盛り上がったり、
オノさんのレビューの載ったレコードやCDの販売も行われる、
地域の音楽好きやカルチャー好きの集うサロン的な催しである。
開催されていたk coffeeさんに到着すると、
レコードの陳列カゴになんと見覚えのある黒いネコの姿が。
後に仕事の予定が控えていた為、数分で一通りの物色を済ませ、
すぐにカゴの中のネコを引き取って帰ろうとしたのだが、
またもやこのネコが見当たらない。
辺りを見回すと他のお客の購入取り置きに紛れている。
思わず「そのネコの！！」
と声をあげてしまったがもう遅い。
「ネコは逃げ足が速いよね！」と言うことでその場を後に。
明日この話を彼女にすると
「モタモタしてるから！」と言われるのか、
「ネコはそうそうゆうもの！」と言われるのか分からないが、
どちらにせよこんな事があったと早く知らせたい気持ちである。
2度も逃げられたので、3度目も逃げられるかも知れないが、
またネコが気まぐれに目の前に現れてくれるのを楽しみにしようと思う。
Mr.モシヤ
